休職までの流れ・休み方について
仕事のストレスや環境変化から、適応障害やうつ病を発症する方は少なくありません。
適応障害などの治療にあたっては、十分に休養を取ることが大切になることがあり、医師より休職を提案されることもあるでしょう。
しかしはじめてのことで「どうやって休職をしたらいいかわからない」「休職をすることで経済的に困ることはないだろうか」と心配になる方も多くいらっしゃいます。
また休むように医師から言われたものの「どうやって休めばよいかわからない」というお声もよく聞きます。
ここでは適応障害やうつ病と診断された場合の、休職の流れや手続きについて説明します。
休職中の休み方や、復職後の再発を防ぐポイントも併せて解説します。
適応障害と言われたら休むことが治療?
適応障害やうつ病と診断され、休養が必要と判断された場合、環境調整の一貫として休職を必要とする場合があります。
休職した上で治療に専念し、心身の状態を回復させたいというご希望がある場合は、診断書発行の上、休職を開始される方も少なくありません。
休職すべきか判断に迷われる場合は、医師やカウンセラーに相談することも大切です。
休職をすること・診断書をもらうことのメリット
適応障害やうつ病は、心の弱さは関係なく、誰もがなりうる病気です。
休養をすること自体が治療の一環であり、第三者にもその事実を証明するものが診断書になります。
ストレスや刺激から一度離れ、疲れた脳をしっかり休ませるためには、診断書をもらって休職するのも一つの手段です。
また診断書が必要になる状況としては、以下のような場合があります。
- 休職や復職をするとき
- 「傷病手当金」や「職場復帰支援」などの申請をするとき
休職中・休職後の支援に必要な場合があるため、必ず診断書は保管をしておきましょう。
診断書をもらう時によくある質問
Q.どれくらいの期間休むことが必要になるでしょうか?
症状を経過をみて、診察中にどの程度の休みの期間が必要かは相談をしていくことになります。
一般的には2-3ヶ月程度休まれる方が多いですが、1ヶ月でお戻りになる方もいれば、半年程度休まれる方もいらっしゃいます。
今の状況について診察中によく医師と相談し、期間を決定されることをおすすめします。
Q.また同じ職場に戻ったら再発してしまうことはないでしょうか?
可能性として絶対ないとは言えませんが、十分な休息を取った後に問題なく同じ環境で復職される方もいらっしゃいます。また復職にあたって配置転換などの環境調整をしてもらえる場合がありますので、医師や会社とご相談してみてください。
Q.休職中はどんな支援を受けることができますか?
診断書を取得し休職することで、休職中から職場復帰に向けたさまざまな支援を受けることができます。
例えば
- 傷病手当金:病気やケガの療養で休業した場合、一定額が支給される制度
- 自立支援医療制度:精神疾患の通院でかかる医療費の自己負担額が軽減される公的負担医療制度
- ハローワーク用就労可能証明書:症状が安定しており働くことが可能な状況にあることを証明する書類
- 障害年金:病気やケガが原因で仕事が制限された場合に受け取れる年金
- 精神障害者保健福祉手帳:一定程度の精神障害の状態にあることを認定するもので、公共料金の割引や税金の控除などの支援がある
- 就労移行支援:障害のある方が働くために必要なスキルを身につけるトレーニングや、就職活動のサポートを受けられる「通所型」の障害福祉サービス
- 職場復帰支援:傷病等により休業していた方の復職のための支援を会社側が行う支援活動
などがあります。
休職中に金銭的な不安がある人や、今後復職を考えている人はこのような制度を使うことも検討しましょう。
休職するときの職場への伝え方
休職をしたいけれど、それを職場に伝えるのが気が引けるという方は多くいらっしゃいます。
そのような際には、医師の診断書をもらい、「医者から休むように言われた」と相談することが一般的です。
職場に行くことだけでも辛いという方は、電話やメールで受診したことと休職について伝え、後日診断書を郵送する方もいらっしゃいます。
診断書がいますぐ欲しい方へ
当院では受診された当日に、医師が治療上必要と判断した場合即日診断書を発行することができます。
本日の受診も受付中です。詳しくは当院ホームページをご確認ください。
休むことを決めたら
うつ病の診断書をもらった後は、会社と相談して休職の手続きをすすめましょう。
就業規則をチェックして、休職制度について事前に確認しておくとスムーズです。
また
- 休職可能期間
- 休職中の給与
- 休職中の会社との連絡方法
についても会社とよく確認をしておきましょう。
また傷病手当金申請の準備を始めてもよいでしょう。
傷病手当金についてはこちらをご参照ください。
休み方のポイント
休職中は、「休養期」→「リハビリ期」→「準備期」と3段階に分けて考えるとわかりやすいでしょう。
-
休養期
症状が強く、心身ともに苦痛や負担が大きい時期
この時期の基本的な正解はゆっくり休むことであり、一日中家でごろごろしていても問題ありません。
-
リハビリ期
治療によって症状が安定してくる時期
その後治療によって症状がだんだんよくなってきたら、リハビリ期に入ります。ご自身の好きなことや趣味などができるようになり、散歩や気分転換も治療的です。体を動かすことがお好きな方は、軽い運動なども推奨されます。この時期はそろそろ会社に復帰しなければと焦る方もいらっしゃいますが、焦りこそが病気の症状である場合もあるので、引き続き休養をとることが治療の大きな柱となります。
-
準備期
症状が落ち着き、ある程度活動できるほど心身ともに回復してくる時期
その後職場復帰の意欲がではじめたら、仕事復帰のための準備期に入ります。
ラッシュ時間を避けて通勤経路を通ってみたり、仕事がある日と同じ時間に起床し同じ時間に就寝します。
仕事をしていた時の生活リズムに徐々に慣らしていき、症状の再燃がないか確認をする時期です。
ここで再度不安な気持ちや気持ちの落ち込みが生じる場合はまだ休養の継続が必要なサインになります。
ここで無理をせずに休みを継続することも、今後の治療の大きな要となります。
また休職中は以下のポイントを意識して休養するようにしてください。
規則正しい生活を心がける
毎日同じ時間に起床し、太陽の光を取り入れるようにしましょう。1週間単位で生活リズムを見直し、睡眠不足に注意しましょう。徐々に体内時計が整いリセットされることで、睡眠の質の向上も期待できます。
休職期間中は十分に休養をする
特に休養期での休息は脳を休める上で非常に大切です。一日中家でごろごろしていても構いませんので、ここでしっかりと休むことで休職期間を短くすることができます。
無理に復職をしようとしない
休職中はどうしても早く職場復帰しなければと焦ったり、会社のことや仕事のことが気になって不安になること、同僚に負担をかけているのではないかと心配になることもありますし、休職をされた方はみなさんそうおっしゃいます。
しかしながら、脳が十分休まっていない状態で復職をすると、一度治りかけていた気持ちの落ち込みや不眠、食欲低下といった症状がまた再発してしまうことがあります。復職後に安定して継続勤務をするためにも、医師と相談しながら十分な休養をとることをおすすめします。
リハビリ期には気分転換をする
趣味や好きなことをして気分転換する時間は、ストレスの緩和に非常に有効です。特にリハビリ期に、気分の落ち込みやストレスの発散、睡眠リズムの維持、心身のリラックス効果を期待して運動をすることも効果的です。
定期的な受診を継続する
治療をする中で、定期的に予定を作って外出し受診をすることも治療的です。
ご自身の今の状態や、前回受診時からの変化を医師に伝えることで、今の状態を客観視することができます。
またストレスの対処法を見つけ、話を聞いてもらうことも回復・再発予防への近道になります。
休職をすることは、全く悪いことではありません。
一度休んでリセットをし、病気の治療にしっかりと取り組むことで、また昔の自分のように働くことができます。
本来の自分を取り戻すために、一歩踏み出すあなたをみちびきクリニックは応援します。
参考サイト・文献
- 厚生労働省|傷病手当金について
- 厚生労働省|自立支援医療(精神通院医療)について
- 日本年金機構|障害年金
- 東京障害者職業センター|リワーク支援
- 厚生労働省|こころの健康 サポートガイド
- こころの情報サイト|精神障害者保健福祉手帳
- 東京都福祉保健局 HP&A
- 東京都立中部精神保健福祉センター HP
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